XCUBEの体験デザインを考える。

こんにちは。新入りスタッフの坂口です。

今日は聞きたいことがあります。
みなさん、ガソリンスタンドは好きですか?

この前、初めて「セルフサービスではない方のガソリンスタンド」に行きました。調べてみたところ、「フルサービス」って言うらしいですね。

車を停めたらスタッフの方が運転席の側まで来てくれたので、窓を開けました。でも、特に何も言われなかったので、僕もどうしていいか分かりませんでした。「セルフじゃないとこ、初めてなんですが、どうしたらいいですか?」と聞くと、少し意外そうな反応をしながら、色々と案内してくれました。なるほど。スタッフの方が自分から何も言わなかったのはおそらく、他の運転手さんは自分から「レギュラー満タンで」と言いながらカードを渡している、ということなんでしょう。ひとつ学びを得ました。

みなさんは、フルサービスとセルフサービス、どっちが好きですか?
やはり、車を停めるだけで全部やってもらえるラクラク給油のフルサービスですか?
それとも、マイペースに自分だけの給油タイムを楽しむことができるセルフサービスですか?


# 掲示物のデザイン

さて、本題に戻りましょう。XCUBEの施設内を眺めてみると、アトラクション紹介のポスターや映像、はたまた料金表など、様々な掲示物があります。これらの多くは、XCUBEのスタッフたちが、お客様のご案内をしながら合間を縫って制作しています。といっても、スタッフはプロのデザイナーというわけではありません。リテイクを繰り返しながら、少しずつ良いものになるように努めています。最近だと、各アトラクションのタイトル表示ポスターを一新しました。背景画をすべて統一しようということで、とあるスタッフの方がイチから作ってくれました。めちゃくちゃ良いと思いませんか!?めちゃくちゃ良いですね。ありがとうございます。


ポスター作成の中でも特に強敵なのが「アトラクションの操作説明」です。XCUBEに置いてあるアトラクションは、様々なメーカーさんが開発したものですから、それぞれ操作感が異なります。コントローラーやゴーグルの種類も多種多様です。そのため、いくつかアトラクションにはスタッフが作成した操作説明ポスターを掲示しているのですが…、これが本当に、難しいです。

例えば「BeatSaber」。プレイの前にコントローラーの電源を付ける必要があるのですが、多くの方がここで詰まってしまいます。ボタンを長押ししないといけないので、かなりの難所です。操作説明ポスターで解説してはみるのですが、他にも説明したいことがたくさんあって、どうしても情報量が多くなってしまいます。

ここで、「BeatSaber」説明ポスターのビフォー・アフターを見てみましょう。こちら、本当は2枚組なのですが片方だけ。

1月に掲示していたものがこちら。

ただいま掲示しているものがこちら。

リテイクを重ねるうちにかなり情報が整理され、配色も相まって分かりやすくなったのではないかと思いますが、それでもまだコントローラーの電源ボタンは伝わらないことが多々ありました。これを解決するために、今コントローラーがこうなっています。


この作戦のおかげで、かなり成功率が高くなったように感じています。コントローラーが置いてあれば、お客様はとりあえず持とうと思ってくれます。コントローラーを持つ時に必ずシールが目に入るので、電源を付け忘れにくいということですね。ポスターデザインを突き詰めているうちに、いつの間にかやっていることが「UXデザイン」になってきました。


# 体験のデザイン

UXデザインというのは、「ユーザーエクスペリエンス」の略です。僕もしっかりと定義を理解しているわけではないですが、直訳してしまうと、ユーザー、つまりお客様の「体験」をデザインするということですね。みなさん好きなゲームがあったら、是非そのUXデザインについて調べてみてください。

ちょうど僕がスタッフになったばかりの頃は、まだアトラクションの操作説明のポスターはありませんでした。そのため、スタッフが全て口頭で解説していましたし、BeatSaberの電源ボタンもスタッフが押していました。つまり、ガソリンスタンドで言うところの「フルサービス」だったわけですね。これが今は少しずつセルフサービス化を進めています。

フルサービスの方が、お客様の手を煩わせることなくアトラクションを体験していただけるのは確かです。ですが、「セルフサービスのメリット」も考えられるのではないでしょうか。僕は大きく2つのメリットがあると考えています。

1つは、「スタッフの作業量が減ること」です。これによって、より多くのお客様を同時にご案内できるようになります。言ってしまえば、人件費が削減できるわけですね。ただ、これはお客様にとってはあまり関係のないことです。

大事なのはもう1つの方で、「自分のペースで体験できること」です。例えばゲームを遊ぶ時、スタッフが前もって「このボタンを押すと弾が撃てます」と言ったとします。この時、お客様は弾を撃つ方法を知ることができますが、ここで見方を変えてみると…、「弾を撃てることを自分で発見する権利」を剥奪されている、とも言えます。「あっ!なんか押したら撃てた!」みたいな、発見する感動を大事にすると良いのではないか、ということです。他にも、この前カップルが来店された時、一緒に操作説明を見ながら、お互いに装着を手伝ってあげるような姿がありました。このような「体験の共有によって生まれるコミュニケーション」も、尊重することができるのではないかと考えています。

いろいろと書いてみたものの…、結局、どっちのほうが正しい、というのは無いとも思います。そもそも、ガソリンスタンドやセルフレジと違って、XCUBEがやっているのは「娯楽」です。同じアミューズメント施設で考えた場合、ゲームセンターはセルフが多い一方、テーマパークなどであれば、個性的なキャストさんも体験の一部に組み込まれていることもありますね。やはり、どちらにも良さがあって、どちらを選択するか、どちらがお客様の層に合っているのか、ということなのだと思います。ガソリンスタンドでそこまで考えている人は少ないかもしれませんが、例えば服屋さんなら、店員さんに話しかけてもらった方が嬉しい人と、そっとしてくれたほうが嬉しい人がいますよね。そういうことです。

長くなってしまいましたが、そんなことを考えながら操作説明ポスターを作ったり、アトラクションの案内をしています。現時点のXCUBEは「セルフサービス化の過渡期」といった状況ですが、どこまでスタッフがお手伝いして、どこまでお客様のペースで体験してもらうのか、試行錯誤を重ねていきたいと思います。

もちろん、分からないことがあったり、スタッフに話したいことがあれば、お気軽にお声がけくださいね!僕個人はもっとお客様の声を聞きたいので、喜んで飛んでいきます。なので僕がシフトの日を狙って来てくださいね。