1枚のポスターができるまで

はじめまして、スタッフの山口です。

#坂口さんの記事がすごい
 最近、さらにブログを充実させていこうということで、メインでブログを担当してくれているAさんに加えて数人のスタッフも少しずつブログを書いていくことになりました。それで、僕より一足先に坂口さんが先駆けとなる記事を公開していたわけですが…。クオリティが高すぎるんです…。「後から記事を書くこっちの身にもなってくれ…。」という言葉が喉から出かかっていますが、なんとか抑えて僕も手を動かしていきたいと思います。あ、坂口さんの記事をまだ読んでいない方はこちらから是非読んでみてくださいね!XCUBEのUX(ユーザーエクスペリエンス)に関するお話ですが、「UXなんて全く知らないよ!!」という方にも分かりやすく書かれています。今回の僕の記事の中でもUXっぽいことに多少触れはしますが、UXとはなんぞや?みたいな話は今回の僕の記事では割愛するので、坂口さんの記事を先に読んでもらえるとより僕の記事も理解がしやすくなるかと思います。

#ポスター、作ったことありますか?
 さて、そろそろ本題へ。皆さんはポスターを作ったことがありますか?
 XCUBEの館内には多くのポスターが掲示されています。そして、例の坂口さんの記事でも触れられている通り、館内のほぼすべてのポスターは僕たちスタッフが1つ1つ制作しています。とは言うものの、スタッフの主な仕事はあくまでも接客であり、デザインに関しては素人です。当然、これまでポスターなんて作ったことないスタッフがほとんど。それでも、館内に置かれているポスターは最低限の見やすさと分かりやすさを兼ね備えており、それぞれのポスターに求められている役割は果たせているのではないでしょうか。そこで、今回のブログではある1枚のポスターに注目して、そのポスターがどのような過程を経て作られていったのかご紹介していきます。ポスターをこれから作りたいという方はもちろん、わかりやすいパワポの資料を作りたい方などにも参考になるかと思います。ただ、今回書くことはかなり基本的なことばかりですので、ある程度の知識のある人にとってはあまり参考にならないかもしれません。あくまでも初心者向けということでお願いします。

#説明用ポスター制作の大まかな流れ
 XCUBEのポスターは大きく分けて2種類に分類されます。1種類目は装飾のためのポスター、2種類目は説明のためのポスターで、今回のブログで扱うのは後者の説明用ポスターです。説明用ポスターは主に次の3つのステップで制作されています。
①ポスターの目的やターゲットなどを決める
②ラフを作成する
③illustratorで実際に掲示するポスターを作成する
この3つのステップのうち、僕が担当しているのは①と②で、③は他のスタッフの方にお任せするという形を取っています。
で、今回取り上げるのは先日のスタッフAさんが投稿したブログでも取り上げられた、2021年3月14日時点でXCUBEに入ってすぐ左手に設置されているこの3つのポスターのうち一番右側のものです。
拡大するとこんな感じです。
このポスターは見ての通り、お客様にXCUBEをご利用いただく上での注意事項を周知するためのもので、つい先日設置されたばかりです。そんな出来立てほやほやのポスターが作られる過程を僕が担当している部分を中心に、先ほど示した3つのステップに沿ってご紹介していきます。

#このポスターは誰が・いつ・どんな状況で見るの?
 最初のステップはポスターの目的やターゲットなどをしっかりと決めるところから始まります。僕がポスターの構想を練り始める時は大体、上司にあたる社員の方から、「ここにこんな感じのポスター置きたいから、考えてみて~」といったように大まかなイメージだけを伝えられ、そのイメージに沿ったポスターを作ることが求められます。とはいえ、これだけの情報で分かりやすいポスターを作ることはほぼ不可能です。なぜなら、「分かりやすい」という感覚は非常に個人差の大きなもので、ある人にとっては分かりやすいと感じられるものであっても、別の人にとっては分かりにくい、ということが往々にしてあるからです。例えば、XCUBEに多くあるVRゲームの説明書きを例に出すと、「VRのゲームを自宅で毎日やっています!」という人に対する説明と「VRどころか普通のゲームすらやったことがありません」という人に対する説明では求められることが全く違うでしょう。前者への説明の場合はそのゲーム特有の操作を伝えたり、そのゲームの小技のようなものを伝えたりすることがメインになるかと思いますが、後者への説明の場合はゴーグルやコントローラーの装着方法やどのゲームでも大体共通している操作(「デファクトスタンダード」なんて言ったりもしますね)を伝えるところから始めなければなりません。そして、XCUBEではほぼ全てのポスターが後者のようなお客様を想定して作成しています。このようにしている理由は、VRというコンテンツがまだまだ世間的には浸透しておらず、ほとんどのお客様がどちらかと言えば後者に近いような状況にあると考えているからです。

 さて、そんなことも踏まえながら今回の題材となっているポスターについてよく考えてみましょう。今回のポスターはA1サイズの3枚組で、入口付近に置かれるということと、これまで入口付近でお客様に口頭でお伝えしていた事項をポスターで説明してしまおう、という目的があるということが最初から決まっていました。やはりこれだけだと情報が足りないのでここから自分でもう少し情報を付加していきます。まず、このポスターは他のポスターと同様に「XCUBEに初めていらっしゃる、あまりゲームやVRに慣れていないお客様」を対象に作ることとしました。加えて、このポスターは入口付近に置かれ、来場されたお客様がとりあえず見るものであるという性質上、各アトラクションに置かれているポスターのようにお客様に何度も繰り返し見ていただき、じっくりと内容を理解していただくことは難しいと考えました。そこで、極力本当に伝えたいことだけを端的に伝えることを目指すと決めました。また、ポスターを3枚並べるわけですが、その役割分担を考えました。1枚目のポスターではフリーパスについて、2枚目のポスターでは施設の大まかな使い方の流れについてそれぞれ説明したいということでしたので、3枚目となるこのポスターには1,2枚目で書くことはできないけれども重要な注意事項を記入することにしました。まとめると、①入口付近に置かれる、②3枚組のポスターのうちの1枚、③これまで口頭で伝えていたことを伝えるのが目的、④あまりVRに慣れていない人が対象、⑤端的に・一度で伝わるように、⑥1,2枚目に書ききれない注意事項を書く、という6つのポイントが浮かび上がってきました。「どのようなお客様がいつ・どんな状況で見るポスターなのか」を突き詰めただけですが、とりあえずここまでの情報があれば今回のポスターを作るうえでは十分でしょうから次のステップへと進んでいきます。

#ラフは見出しを意識する
 続いて、ラフを描きます。ここで描くのはあくまでもラフなので、最低限のレイアウトや伝えたい内容がわかる簡単な文だけ書けばOKです。とりあえず、今回のポスターのラフを見てみましょう。
このような感じです(字が雑なのは許してください…笑)。見出しとどうしても入れてほしい文章だけ記入して、残りの部分は実際のポスターを作る人にゆだねてしまっていることが分かるかと思います。このラフを描く上で僕が最も意識していることは「どこが見出しなのかを明確にすること」です。ポスターを作るうえで非常に重要なポイントとして、「ジャンプ率」という概念があり、文字やイラストの大きさの比率が大きいものは「ジャンプ率が高い」、逆に大きさの比率が小さいものは「ジャンプ率が低い」と表現されます。ジャンプ率が高いものと低いものでどちらが良いと一概に言えるわけではないですが、一般的に端的に情報を伝えるためにはジャンプ率が高いほうが好ましいとされるので、今回のようなポスターの場合はジャンプ率を高くする必要があります。そして、文字サイズを大きくする部分は大抵見出しの部分なので、見出しがどこなのかを明確にする必要があるのですが、ラフはiPadを使って手描きで描いている都合上、フォントを変えて見出しであることを示すことはできません。文字サイズや字の太さで示そうと努力をしてはいたのですが、それだけではなかなか実際のポスターを作る人に伝わらないこともあるかと思います。そこで、最近はラフを描く際、見出しにマーカーを引くようにしました。具体的に言うと、大見出し(タイトル)には黄色マーカー、中見出しには赤マーカー、小見出しには青マーカーを引いています。こうすればどこが見出しか瞬時に、かつ正確に他のスタッフの皆さんにも伝えることができます。

#ポスターのその後
 後は他の複数のスタッフや社員さんにラフを確認してもらい、illustratorで実際のポスターを作成するスタッフに印刷したラフをお渡しして僕の仕事は一旦終了です。ここで再度ラフと実際のポスターを見比べてみましょう。
④の部分を2枚目のポスターに移動させた都合上、内容が少しだけ変わってしまってはいますが、それ以外の部分はラフをベースに気の利いたデザインに仕上げてくださいました。ちなみに、ポスターの構想を練り始めてからラフが完成するまで、3枚のポスター合わせて2時間半程度、そこから1週間程度かけて3枚の実際のポスターが作成されました。こんな感じでとりあえず一旦完成したポスターですが、実はまだまだ終わりではありません。例の坂口さんの記事にもあるように、お客様の反応を見ながら改善していくという重要な過程が残っています。もし、「このポスターのここが分かりにくい!」など思うことがありましたら、是非直接スタッフにお伝えください。ここまで書いてきたように、なるべくお客様の立場に立って分かりやすいポスターを作っているつもりではありますが、XCUBEで働いているという立場上完璧にお客様の視点で物事を考えることは難しく、意見を頂けることは本当にありがたいことなんです。僕が泣いて喜びます。

#終わりに
 4000字超ととても長くなってしまいましたが、今回はこの辺でおしまいです。この記事が読者の方のためになるのか正直よく分かりませんが、何か1つでも得るものがあれば嬉しいなぁといったところです。僕はポスターのラフ作り以外にもいくつかの仕事をさせていただいているので、次の機会があればまた別のお話をしたいと思います。それでは、また次の記事でお会いしましょう。